ldom は、ハイパーバイザー型の仮想化技術で、以下の図の様にゲストドメインの
管理を行うための制御ドメインというものが必要になります。
制御ドメインの実態は、SolarisOS + ldom ソフトウェアです。
つまり、T Server に通常の手順で SolarisOS を install し、その後に OVM for SPARC の
ソフトウェアを追加 install することで制御ドメインが出来上がります。
次に、ハイパーバイザーの動作で、ハードウェアリソースに対するアクセス方法を見ていきます。
まず、cpu と memory には、各ゲストドメインから直接アクセスできます。 一方、Disk, Network 等
の IO は、制御ドメインを通じて物理的な NIC と HDD にアクセスします。
この絵を見るとゲストドメインが増えると制御ドメインへの IO が集中し、性能劣化が発生する
のでは?という疑問がわいてくるかと思います。 そこで、ldom では、この問題を解消するために
DirectIO(以下 DIO)という機能が用意されていて、ゲストドメインから直接 IO にアクセス
できるような設定も可能です。
また、各ゲストドメインのコンソールへのアクセスには、仮想コンソール(VCC)を使い
制御ドメインからのみコンソールログインが出来るようになっています。
では、ここから、実機を使って制御ドメインの構築を行っていきたいと思います。
今回使用する機材は、T2plus の cpu を 4 つ搭載した T5440 です。
機材の次は、環境構築に必要なソフトウェアを確認します。
なお、制御ドメインには、 Solaris10 か Solaris11 を選択できますが、今回は Solaris10 8/11 を
入れることにします。
事前に準備するものは、以下になります。
- Solaris 10 8/11 の DVD + 最新の Recommended Patch
- http://www.oracle.com/technetwork/jp/server-storage/solaris10/downloads/index.html
- Patch は、MyOracleSupport
- T Server の Firmware Patch
- Firmware は、MyOracleSupport
- OVM for SPARC 2.1 パッケージ
- Solaris 10 8/11 の iso イメージ
- OVM for SPARC2.1 のマニュアル
ちなみに、Solaris 10 8/11 の isoイメージは、ゲストドメインに OS を install 際に使用します。
ゲストドメインの作り方は、一般的な OS の install から行う方法と、既存の Solaris 環境を
p2v ツールを使って移行する方法の 2 通りがあります。
この 2 通りの方法についても、後で紹介していきます。
次回は、制御ドメインの作成について説明していきます。
以上.
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