2012年3月29日木曜日

Oracle VM Server for SPARC .... (1)


まず、最初は、Oracle VM Server for SPARC(v2.1) について紹介したいと思います。
この製品は、最近まで、Sun Logical Domain(ldom)と呼ばれていたもので、SPARC CPU の
T-Seriesで利用できるハイパーバイザー型の仮想化ソフトになります。
このソフトを使うと、T-Series のサーバの上で、複数の Solaris OS を同時に動かすことが
可能になります。
現在の Oracle VM Server for SPARC(長いので以下 ldom と呼びます)は、version2.1
ですが、この version の上では、Solaris10 と Solaris11 の動作がサポートされています。
 


ここで、ldom をお話するうえでベースとなる SPARC Server T-Series について説明します。

T-Series は、T1, T2, T3 と順調に cpu 開発が進み、現在は T4 がリリースされています。
T1 から T3 までは、Core 数や Thread 数を増やし、スループット性能を意識した設計でしたが
T4 からは CPU Clock を上げてシングルスレッド性能を向上させました。
その結果、DB の様なシングルスレッド処理も Web の様なパラレル処理もどちらもこなせる
サーバに生まれ変わりました。
サーバのラインナップは、T4 chip を 1 つ搭載した T4-1, 2 つ搭載した T4-2、
4 つ搭載できる T4-4 の 3機種になります。
http://www.oracle.com/jp/products/servers-storage/servers/sparc-enterprise/t-series/index.html



細かく見ていくと、T4 chip は、1cpu 辺り 8 core、1 core 辺り 8 thread となっているため
8core x8 thread =64 thread を同時稼働させることが可能です。
また、各 core には、Integer と floating の Unit が搭載され、さらに暗号化の為の
crypto モジュールも含まれています。
さらに、cpu には、10GbE の ethernet controler と PCI Controler(PEU)も搭載されているため
cpu から IO へのデータの通信が高速に行えるような設計になっています。



ldom では、仮想OSに 1thread=1vcpu として割り当てが可能な為、現時点では
T4-1, T4-2, T4-4 の 3 機種共通で 128 個の仮想 OS を搭載することが出来ます。 
したがって、T4 Server 上で ldom を使用することで、1 台の T4 Server の上に Web Server,
AP Server, DB Server の 3 環境を集約・統合するというようなことが簡単に実現できます。

さらに、Oracle ソフトウェア製品のプロセッサ・ライセンスにおいて、T4 Server は IA Server と
同様の core 係数が 0.5 になります。 一方、IBM の Power や HP の Itanium の場合は
core 係数が 1 なので、同じ core 数であればソフトウェアのライセンスは T4 の倍(高額)
になります。
 http://www.oracle.com/jp/direct/processor-core-factor-table-jp-168076-ja.pdf

さらにさらに、ldom は、hardware partitioning カテゴリに入る為、1cpu(=8 core) の T4-1 Server
上で ldom により DB Server として  2 core しか使わなければ、2core x0.5=1プロセッサ・ライセンス
のみの購入となり、初期コストを抑えた形での導入が可能になります。
 http://www.oracle.com/jp/direct/processor-core-factor-table-jp-168076-ja.pdf

ということで、機能的にもコスト的にも大変魅力的な T4 Server についての紹介は
ここまでにして、次回は、本題の ldom について実機を使った説明をしたいと思います。

以上.

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